世界的なエネルギー不足による光熱費の高騰が話題となり、暖房費や冷房日に頭を悩ませている家庭も多い中、住宅で最も熱の出入りが多い窓の防熱が重要性を増しています。防熱性のある窓であれば冬の暖気が逃げないだけでなく、夏の暑い外気も入ってきませんので、1年を通して光熱費の削減につながります。防熱性の窓ガラスにはどのような種類があるのでしょうか。防熱性のある窓ガラスは断熱ガラスと呼ばれ、従来はペアガラスが主流でしたが、近年ではトリプルガラス以上の複層ガラスも販売され、5層ガラスなるものも存在します。
ペアガラスはガラスとガラスの間に乾燥空気を使っているのに対し、トリプルガラスはアルゴンガスまたはクリプトンガスが使われています。空気に比べてガスを封入することで、断熱性能が1.2~1.3倍アップします。当然のことながら層が厚いほど断熱性能は高くなります。また、日射遮蔽タイプと日射取得タイプがあり、遮熱高断熱タイプだと冬の暖かい日差しも遮ってしまうので、南向きの壁に使うとかえって暖房費が高くなることもあります。
そのため、設置する壁の方角や利用用途によって使い分けるのがよいでしょう。近年の断熱ガラスは、一昔前の製品に比べると中空層は大きくなっており、断熱性能はより高まっていると言えます。断熱性能の高いガラスには、「エコガラスマーク」がついています。窓ガラス購入の際は、エコガラスマークを参考にするのもよいでしょう。